おさけ雑想

お酒についての気ままな雑想
而酔
おさけについて日頃の「雑想」を載せてみます。纏まったものに出来たら、しかるべきページに転載するつもりですが、さて。

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☆ 新しい日付のものから載せています。


もくじ
旨かったお酒 和らぎ水 「キクマサピン」
旨かった しばらくぶりに冷おろ 冷おろし売出が早過ぎる
明るいうちは飲まない おさけの税金 冷おろし
唐辛子の利いた料理は要注意

旨かったお酒

'19.1.20

  最近飲んだ酒で、これは旨いと思ったおさけ。
  「渓流 朝しぼり」900ml壜。長野県須坂市遠藤酒造場、氷冷熟成酒、出品貯蔵酒とあるが、後者の記述は意味不明(どこかの鑑評会に出品したお酒を別にとり置いて長めに熟成した、という意味か)。醸造アルコールが入っているので特定名称の記載はないが、本醸造クラスか。じっくり熟成された深みのあるおさけである。アルコール分20度がさらに飲みごたえを増す。日本酒度は書いていないが、0~+1程度の中口。若干の酸味の中に甘味も感じられる。
  壜は新聞紙にくるみ、その上にラベルを貼ってあるスタイルは、「出品酒」のイメージを強調してか。

※ この間書きかけの稿がいくつかあります、そのうちに‥‥



(やわ)らぎ水

'16.07.24

  なごみ水ともいうが、和(やわ)らぎ水で定着してきた。
  お酒の飲みかた>お酒と健康(合間に水を飲む)('05.06.02 UP)でご紹介したが、お酒に水? と思う人が多いらしく、まだ一般的でない。
  日常飲まれるアルコール飲料の中で一番強いものが日本酒、と言ったら怪訝な顔をするかもしれないが、度数の強いウィスキーや焼酎などは水割りやお湯割り、炭酸割りにすることが多いので、希釈後は10度ちょっと。そのまま飲むビールは6度程度だしワインも13度以下。こうしてみると日本酒は、原酒などを除き普通は15~16度、結構強いのだ。
  通常ストレートや強いカクテルにはアルコールを薄め、口中をリフレッシュするためチェイサー(chaser=追う者・追撃者)という水(炭酸水のことも)が出される。
  和らぎ水は、アルコールの代謝を活発にし悪酔いを防ぐ。またアルコール分解には水分が必要で飲み過ぎると脱水症状が起るが、和らぎ水は体内に水分を準備することになり、これを押さえる効果がある。
  一方和らぎ水は口内をリフレッシュし、お酒が美味しくなりつい飲み過ぎることになるかもしれないので、ご注意を。

 「キクマサピン」

'15.07.02

  パック詰め普通酒では一押しの菊正宗の「キクマサピン(900cc)」。「キクマサピン淡麗仕立て(2L)」とは違うお酒だと5年ほど前から言っているが、あまり理解されていないらしい。意匠がそっくりだから「淡麗仕立て」は「ピン」の徳用パックと信じてしまう。
  決定的に違うのは「ピン」は糖類・酸味料を添加していないこと。「淡麗仕立て」はごく一般の普通酒同様これらを添加しており、アルコール度数が1度低い。単位当たり価格は12%ほど安い(メーカー参考価格)が、アルコール度数を勘案すれば6%しかお得ではない。スーパーなどでは「参考価格」の8割程度で買える。
どちらが好みかは別として、どちらが上等か(メーカーがどう位置付けているか)は、言うまでもない。あなたならどうする?
  なお「ピン」には 1.8L や 2L の商品はない。一升にしたかったら2個買えばよい。
  この際、表にまとめ整理しておく。

キクマサピン
キクマサピン
淡麗仕立て
容量
900ml
2.0L
アルコール分
15%
14%
原材料
米・米こうじ・醸造アルコール
(国産米100%使用)
米・米こうじ・醸造アルコール
(国産米100%使用)
・ 糖類・酸味料
酒質/
日本酒度
やや辛口淡麗 /
 +3.0
やや辛口淡麗 /
 +3.5
参考小売価格(税抜)
748円
1,480円
(3.0L 2,153円)
メーカー
コメント
良質の丸米と麹を惜しまず使い、日本酒本来のうまみと、ピンと 引き締まった後味を実現した飲み飽きしない味わい。
飲み応えがあり、のどごしが爽やかな淡麗辛口の味わいのお酒。 旨み・辛口・ピンと引き締まった後味が絶妙なバランスを醸し出しています。
(メーカー公式ホームページ http://www.kikumasamune.co.jp/ から作表)

 旨かった

'15.03.02

  辛口が売りの菊正宗がニュートーキョーとの提携77周年を記念して造った、生もと(酉偏+旁に元=「酉元」)大吟醸生貯蔵酒。ラベルに「KIKUMASAMUNE 1937」とある。最初に飲んだのが昨年師走入りの頃、思わず「旨い」。菊正宗のお酒は、灘の蔵で実習研修を受けたこともあり、いろいろなグレードのお酒を飲んでいるが、これは文句なしに美味い。透明の壜は冷暗所でしっかり保管せよとのメッセージと受け取る。15~16度。
  下記の謳い文句どおり。きわめてのおすすめ酒。極く最近、4号瓶を頼んで1合半ばかり飲んで持ち帰り、冷蔵庫に保管している。もうそろそろ店になくなるかもしれない。ニュートーキョーと、同系の「旬花」などで飲める。
このキモト大吟醸生貯蔵酒は丹波杜氏伝来の技術の粋を結集し菊正宗がこだわり続けるキモト造りで初の試みとなるワンランンク上の限定醸造酒です。 華やかな香りをまとったすっきりと綺麗な吟醸の特徴に「押し味」と呼ばれる奥行ある味わいがバランスよく調和されています。 生きた乳酸菌の力でじっくりと酒母を育むキモト造りによりキレがありふくらみを持つ雑味のない辛口で、江戸の「下り酒」を彷彿させる旨味とゴク味のある醸造酒です。

しばらくぶりに、冷おろし

'13.09.17

  新潟酒をよく注文するwebの酒屋は、今年は「冷おろし」の発送が11日との予告、早々に予約していたので12日には5本セットが届いた。上等な中身は一昨年と変わらない。昨年は、丁度そのころ残念ながらお酒を飲んではいけない状態で、11月半ばにデパートに僅かに残っていた1本だけとの出会いであった。
  落手の日は、いよいよ秋と思わせたあと1週間振りの夏日。酷暑が戻り、やはり冷おろしの時季ではないなと思いながらもキリッと冷やした純米吟醸は、吟醸だがひかえめの芳香・やや辛口の丸みのある味、極上だった。それぞれが4合瓶なのでどれだけ保つのか、秋の楽しみは長く続けたい。
  羨ましがらせる気はないが、その冷おろし5本は次のとおり。
  ・越路吹雪 純米吟醸熟成酒 ・白龍 純米吟醸 ・吉乃川 特別純米酒
  ・妙高山 特別純米 ・峰乃白梅 本醸造生詰酌人
  この順番(うまそうな順?)で楽しむ心算でいる。最初の一本は空瓶となり今朝回収されて行ったが。

  今日は村上鬼城の忌日(1938年没)であり、また、若山牧水の忌(1928年歿)でもある。鬼城忌、牧水忌、いずれも季語である。
  「ひとり句会」「おさけ」ページを持つ我がホームページにとっては、心して迎え深く思いを馳すべき日である。
  以前にこんな句を詠んでいた。
      鬼城忌や昔はここに揚げ雲雀 *
      牧水忌迷はず頼む温ぬく め酒 

 * 大正初年、高崎の句会で、初対面の虚子から特選たる<天>の選を受けた
<百姓に雲雀揚つて夜明けたり 鬼城> を踏まえた句。


 冷おろしの出回りが早過ぎる

'11.09.12

  昨日新潟酒の「冷おろし」5本を入手。よく利用しているWeb酒店に予約していたものが届いたということ。本醸造もあるが、純米吟醸2本、特別純米2本、は嬉しい。
  今回もやはり、「冷おろし」の解禁が9月9日というのは早すぎると思う。
  以前は秋の彼岸頃が初出荷で10月いっぱいしか売らない季節限定酒だったのが、販売期間を長くするために、重陽の節句を節目にと理屈をつけて「ボージョレヌーボー」に肖り「解禁日」などと言って、4年前からグンと繰り上げた。年々冷おろしを作る酒蔵が増えてきているようであり、これは有難いが、季節感が薄らぐ。
  貯蔵の前に火入れをし、瓶詰時は火入れをしないので、涼しい秋になってから出していたのであり、それでこそ「冷おろし」の名が生きる。生詰め酒=冷おろしではない。
  日本酒の需要減衰で酒蔵は大変で対策のひとつだと思うが、この時期、汗をかきながらのの「冷おろし」は、と何とも納得しがたい思いでいる。
  「重陽の節句」を持ちだすならもちろん旧暦のはずで、今年は10月5日である。この日に蔵を出すのなら名前に適うのだが。
  しかし、10℃以下に冷しても熟成した味と生詰めのサッパリ感があり、この時期生貯蔵酒とは違う冷や酒をぜひ味わいたい。

明るいうちは飲まない

'11.07.30

  私は原則として明るいうちはお酒を飲まない。ゴルフの昼食のときも他のテ-ブルの美味そうな生ビールを見ても見送る。(同行プレーヤーによっては全く例外がないわけではない)
  1日の仕事や予定したことが終わってから(帰宅という「仕事」が後にあってもそれは仕方がない)囚われの感覚からすっかり逃れてゆったりと飲るのがいい。特に日本酒は暗くなってからでないと飲んでも落ち着かない。
  日本酒を主とする小料理屋、居酒屋等は夏の間は気の毒である。小生のような主義?の人間が多いと、暑さで冷たいビールに客を取られ、キリッと冷やした日本酒を用意しておいてもなかなか暗くならないので、営業時間がかなり短くならざるを得ない。
  正月も?――、そう、お神酒を上げるがそれを下して盃にひとつ、これだけ。
    箏の音やわづかに残る去年の酔ひ
  ちびちび飲みながら年を越し新年を迎えるのだから、元朝にわずかに残っているかなという程度のことに、目くじらを立てる必要はない。お神酒上がらぬ神はない。

 おさけの税金

'06.06.24

  2006年5月1日から酒税が変わった。分類が大きく4種に分けられた。(詳しくはこちら
  きっかけは、税の当局が快く思わない「発泡酒」とその進化版「第3のビール」であるが、アルコール料当たりの税負担の公平の観点(ビールはいつも除かれる)から日本酒の税率は引下げになった。
  これまで酒類は、清酒、合成清酒、しょうちゅう、みりん、ビール、果実酒、ウイスキー類、スピリッツ類、リキュール、果実酒類、及び雑酒の十種類に分類されていた。
  これが5月1日から発泡性酒類、醸造酒類、蒸留酒類、混成酒類の4種に区分されることになった。分類が4種になったからといって簡素になったわけではない表をご覧になれば分かるように、結構細かく分かれているし、基本税率と特別税率が輻輳し、さらに「特例」があり、ややこしい。
  近くのスーパーでよく買う日本酒が計算上ぴったりの36円値下げになったのは当然のことだがうれしかった。(140,500円/kl→120,000/kl)

  なお、しょうちゅうの甲類は「連続式蒸留しょうちゅう」、乙類は「単式蒸留しょうちゅう」と酒税法上の名称が変った。ただし、あくまで税法上の分類であり、表示では[甲][乙]を使っていいし、事実以前のままのところがほとんどである。


<表示等に関しての事業者団体の自主基準などを踏まえ追記 2011.2>

  表示義務があるのは,酒類の種類及び品目、原材料・添加物(甲類は原材料名表示の税法上の義務はないが日本蒸留酒造組合「連続式蒸留焼酎(焼酎甲類)の表示に関する自主基準」により表示している)、アルコール分、容量、製造元・住所など。旧乙類は「本格しようちゆう(本格焼酎)」と表示できる。劣るようにみられる「乙類」と表記することはないと思うが、意外に記載されている。旧分類もそれだけ浸透していたということか。

 冷 お ろ し

'06.10.01

10月に入った。今日1日は日本酒の日である。日本酒の季節到来である。
夏向けにもさっぱりした生貯蔵酒があるが、やはり熟成した落ち着いた味のお酒をじっくり味わうのがいい。
9月下旬から2か月ほどの期間しかない「冷おろし」は、この時期ぜひ味わってもらいたいお酒である。
先日盛岡の「あさ開」の純米吟醸冷おろしを飲んだ。コクがあり初めはやや甘味を感じるが、すぐさっぱりして口中に残らない。香りも穏やかで出過ぎず、大変おいしくいただいた。が、少し気になったことがある。
ラベルにはこの酒の特徴として「冬から春に造られたお酒を火入れ(熱殺菌)して貯蔵しました。ほどよく熟成され、丸みのある味わいになり、飲み頃の純米吟醸酒です。」と書いている。が、肝心のそのまま瓶詰めしたことは書いていない。
冷おろしは貯蔵前に一度だけ火入れする生詰め酒である(なおこちらも参照)。だから爽やかな「爽酒」タイプ なのである。
  ※ SSI=日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会の分け方。
    他の区分には、香りの高い「薫酒」、熟成した「熟酒」、コクのある「醇酒」がある。

「ひやおろし」と大書はしているが、それが生詰め酒であることをみんなが知っているわけではない。特別なお酒であることのPRかたがた、もう一言加えてほしかった。
なお、お値段のこと。四合壜で1,500円前後のものが多いが、これだと1升換算4,000円ほどになりつらい。1,000~1,200円程度で良さそうなものを探すようにしたい。因みに「あさ開」は四合壜で1,050円(税込)だった。

 唐辛子の利いた料理は要注意

'06.09.05

わさび、唐辛子、和辛子、洋辛子、胡椒、山椒など香辛料は、料理の味を引き立てる名脇役である。
この中で一番長く口に残るのは唐辛子である。しかも刺さるように残り、他の料理の味を曲げてしまう。まして酒の味わいは失せる。山椒も結構残るがうなぎ蒲焼のほか余り使わないので措く。
逆にわさびはガーンと来るような辛さを感じたときでも1分も経てばもう口には残っていない。
新橋に有名な新潟の銘酒を置いている、よく行く店があった。そこの料理はほとんど日本酒がすすむものだったが、キンピラだけは頼むことはなかった。唐辛子が利いていたからである。時々サービスと言って出してくれたが、ほとんど手をつけなかった。
中華料理は思うほどには辛くはないが、ピリ辛ソースの海老チリや箸休めのザーサイなどは日本酒には合わない。
韓国料理には唐辛子を使った辛いものがある。キムチは勿論日本酒に合わない。 辛さの程度にもよるが、唐辛子の入った料理は日本酒には要注意である。いや、避けたい。
ではどうするか。唐辛子ものはよく言う「とりあえずビール」のうちにさっさと始末してしまうことである。
中国でも大分前からわさびがよく使われているのも首肯できる。
おでんに和辛子、口中に辛味が残らず問題ない。
なお、香料シナモンやニンニク・エシャロットなど香りのきついものも日本酒には合わないが、ここでは触れない。


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Last Update:2019.5.22