夏:後の月・(課題:前)。
2026.6


兼題:宵闇・鬼城忌・新。
2026.9



夏:後の月・(課題:前)。
2026.6


夏:サングラス・炎暑・夏・暑(課題:体)。
2026.7
神奈備や自づとはづすサングラス
いちめんの田のしづけさよ郷炎暑

供花なき野仏に添ふ夏の花

水槽の鯵に事なく夏料理
傷み多き五体辛くも暑を躱
夏:浴衣・(課題:外・夕)。
2026.6
浴衣着や細きかひなを羞づ齢
顔しかと確かめ会釈宿浴衣
木の香満つ外気の癒し梅雨晴間

夕澄みて男鹿の名残のかき氷
夏:青時雨・花蜜柑・生ビール・新茶
2026.5
遠山に虹の片足青時雨
四阿

潮風と香り競うて花蜜柑
生きてゐる実感で干す生ビール
老いはみな同じ天命新茶汲む
夏:桐の花。早摘茶・昭和の日(課題:和)
2026.4
桐の花先考
日照雨
早摘みの知覧茶を酌むいま平和

昭和の日吾には天皇誕生日
春:蜂の巣・花見,春の雨(課題:生)。
2026.3
山道に入るや蜂の巣注意札
迷はずにわが巣に戻れ窓の蜂
下戸ならぬ我下戸となる余生かな (無季)

下戸となり余生怏怏
生くるもの競ひて目覚む春の雨
春:冴返る・花の塵・春燈・新社員。
2026.3
話また病にもどり冴返る
地面まで束の間の舞花の塵

傘寿から米寿への坂春燈
日経を開くは誇り新社員
春:寒明、冬:寒北斗(課題;立)。
2026.1
色褪せし年頭所感寒明けぬ
錠剤の残りに感謝寒明くる
立てし襟戻して一歩寒明けぬ

母の忌や仰ぐさえ立つ寒北斗
冬・寒に入る・鰭酒・熱燗・帰り花(課題:技)。
2026.1
老翁の速む狭き歩寒に入る
鰭酒の二杯目辞する年齢ながら

熱燗や止り木の奥繭の中
熱燗やあと一本は大徳利
自然てふ匠の余技や帰り花

冬:師走・寒雷・一茶忌・酉の市。
2025.11
忌はしき映像しきりはや師走寒雷に全天目覚む日本海
軒雀愛
寄る店の閉ぢし新宿酉の市
冬:冬日和、晦日・鰤(課題:美)。
2025.11
父母の笑むごと墓ぬくむ冬日和
冬日和三時は好日惜しむ刻
存

鰤美味し越後もとより酒旨し
秋:案山子、野分・十三夜(課題:名)。
2025.9
役終へし褒美の酒に案山子寝ぬ
暮るる田に雀の友の案山子佇つ
野分あと老いし庭師の古名刺

ほろ酔へば名も麗しき十三夜
秋:鬼城忌・秋の声・新蕎麦・虫の声。
2025.9
重き名の句会つなぎて鬼城の忌

秋の声なにに隠れてまあだだよ

友の打つ新蕎麦に酌む郷の酒

月食の満つればやみぬ虫の声
夏:草いきれ、夏燕・郭公(課題:知)、夏の蝶。
2025.6~7
幾万の生命ひしめく草いきれ
ここからは草いきれ道辻地蔵
町の道知りぬき自在夏燕
郭公の企み知らず餌を頒つ
蔭多き寺庭を選りて夏の蝶
夏:夏めく、新茶、草いきれ、青田(課題:里)。
2025.5
夏めくや時どき揃ふ笛の音夏めくも脅す雨雲雷ひとつ

新茶汲む来し方語る里言葉

百万の生命の気炎草いきれ

みちのくはどこもふる里大青田
夏:蝸牛( ) 、昼寝覚・鞦韆( ) (課題:世)。
2025.5
でで虫の歩を慈しむ歳となり
気忙しき世に取り合はず蝸牛
父母の世にうつかり長居昼寝覚

戯れの鞦韆人世浮き沈み
春:青き踏む、春寒し、花の冷え。
2025.3
年齢
老成に遠き道程
大船渡の山林大火
火は山を這ひ海暗く春寒し

即効の一献欲

春:長閑、春疾風・飛花・夕桜(課題:成)。
2025.2
覚えある訛りガイドの声長閑人違ひの一揖

大願は成らず絵馬打つ春疾風

晩成てふ語に牽かれ来て飛花の中 ΔTOP
冬:おでん、寒に入る(課題:気)、冬麗。
2025.1
蟹歩きして奥の席おでん酒

五臓六腑営み健気寒に入る
狛犬の阿の音漠と冬うらら
冬うらら葉を留む木々競り合うて
冬:氷点下、樹氷、老いの春・寒風(課題:見)。
2024.12
雷に似るカート引く音氷点下
樹氷咲く色なき蔵王粛として
装はず何に見栄張る老の春

寒風やうす着の吾を見逃さず
冬:小春・飛雪・寒林(課題「時」)。
2024.11
夢あまた吸ひて小春の古枕

刈込みし枝に莟
大時計誉めて飛雪の宿りかな
何時ぞやの夢寒林に捨てにゆく
冬:おでん、冬の雲・冬紅葉(課題:分)。
2024.10
おかへりと言はれ今日またおでん酒
本心は湯気に隠しておでん酒
山半分明るく残し冬の雲

存分に魅了しなほも冬紅葉
秋:竹の春、月見、今日の月。
2024.9
みちのくの蝶ふらふらと竹の春道ひとり天

白雲の添ひて隠さず今日の月

友亡くてけふの月見る鬼城の忌

秋:曼珠沙華、鰯雲・紅葉(課題:行)。
2024.8
怠れる考妣
寺門への道に気取らず曼珠沙華
行く末にわづかな願ひ鰯雲

紅葉行くトロッコ列車最徐行
夏:夏果・雲の峯、風鈴市・夏夕べ(課題:客)。
2024.7
喘ぎあへぎ干支七度目の夏終る

ひと雨を願へど遠き雲の峯
ひと雨を願へど遠き雲の峯
客誘ふ程よき風の風鈴市
風音を客かと覚ゆ夏夕べ
夏:空蝉・雷(課題:意)。
2024.6
空蝉の威風あざむくその軽さ
空蝉や重厚にして虚ろなる
庭下駄に敵意なき眼の蜥蜴居る

独り居を脅
夏:新緑・梅雨・緑雨。
2024.5
新緑や在るものすべてやはらかし
夢とただ一文字の墓梅雨寒し


ほとばしる生命の森に緑雨かな

新緑の気ままに競ふ狭庭かな
夏:夏めく、打水・梅雨(課題「後」)。
2024.4
香煙に太き二の腕夏めきぬ
遠山の影おく田面
打水の後気まぐれな通り雨

気まかせの後ろ歩きに梅雨の星
春:春夕べ、強東風、梅。
2024.3
憂ひなしと強がり酌むや春夕べ
強東風や天神の絵馬打ち合うて


指で拭く硝子戸の露梅三分
春:山笑ふ。薄氷・初蝶(課題「心」)。
2024.2
地震
幾すぢか水送り出し山笑ふ
薄氷

初蝶やむかし心を占めし夢
新年:あらたま、初明り。冬:冴ゆ、寒夕焼。
2024.1
あらたまを砕きし地震
雨戸引くすなはちどつと初明り
扉を開けて待つ終電車風冴ゆる
手術終へまどろむ妻に寒夕焼
冬:寒の雨。雪・年酒(課題「一」)。
2023.12
手術室妻眠りてむ寒の雨
枯約束の午後ははたして寒の雨
雪載せて客車一輛夜の駅
一齢をまた加へけり年酒酌む
秋:秋深し・冬用意・冬仕度。冬:冬構・時雨。
2023.11
剃る髭に白の交じりて秋深し二十年開けぬ箱開け冬用意
捨てがたきものの言い訳冬仕度
空き家かと見えしが確と冬構

いづこにか音ひとつして時雨かな
冬:炭団・初暦(課題「丸」)。枯菊。
2023.10
崩れずに尽きし炭団の丸さかな
わが干支の生れ日に丸初暦
枯菊を焚けば漂ふ掉尾の香

誉め言葉みな根に残し菊枯るる
秋:温め酒・秋の風(兼題足)・雁渡し・新涼。
2023.9
往けぬ地の銘柄を選り温め酒
駈け足で来たれ皆待つ秋の風

城跡の橡の葉擦れや雁渡し
新涼は吝嗇風のありやなし
秋:小鳥、小鳥来る。秋夕焼・鰯雲(課題「口」)。
2023.8
もどかしき見えざる小鳥揺るる枝
小鳥来る蘇る森津浪痕
公園の蛇口上向き秋夕焼
いわし雲口衝いて出る郷の唄
夏:炎天、蝉時雨、合歓の花。
2023.7
連なれる黙祷の日日炎天下
炎天や故山の偉容さへふて寝

耳鳴りの癒えたる如く蝉時雨

合歓の葉の眠る傍
夏:四葩( 、立葵(課題「坂」)。秋:残暑。
2023.6
杖の身を励ます四葩女坂
海坂
湧きさうな句ごころ掠

クレーン突く残暑の街の空四角
夏:暑し、端居、涼風
2023.5
思ひ出す顔出ぬ名前風暑し
老いらくの無為は愉しみ夕端居
電車過ぐあとを涼風埋めに来る
涼風やカーテン吹かれきてしぼむ
夏:早苗田。夏座敷、松落葉(課題「中」)。
2023.4
早苗田の隅に仕上げの二三本
降り出して波紋競り合ふ植田かな
山中と思ふ静けさ夏座敷

人待ちて昏るる中庭松落葉
春:枝垂梅、春、囀、彼岸。
2023.3
行く雲や父往ぬ年齢となる彼岸
やはらかき土踏み春を得し心地

風来ればひととき舞ひて枝垂梅
囀や愛の会話を憚らず
囀の擬音似気
春:クロッカス・春の雨(課題「土」) 、花曇。
2023.2
土塊を除ければ芽ざすクロッカス
やはらかき土に仕上げて春の雨
己が影失せまた淡く花曇

老いの歩の幾たび遅れ花曇
冬:寒に入る、冬ざくら、春近し。新年:屠蘇、初笑ひ。
2023.1
大三角しかと位置取り寒に入る咲き満つも日影さびしき冬ざくら

風に鳴る新しき絵馬春近し

微笑みて語る来し方屠蘇の酔

転

★ 2022年以前の俳句は季別の各Fileに移稿しました ★
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