啄木生誕130年、考察深め 盛岡で国際学会


 石川啄木生誕130年と盛岡市玉山村合併10周年を記念する国際啄木学会盛岡大会(同会、同会盛岡支部主催)は5日、2日間の日程で盛岡市渋民の姫神ホールで開幕した。「明日の考察~130年の時を超えて」をテーマに、講演やパネルディスカッション、研究発表で議論を深める。

開会行事で披露された渋民中の群読劇。みずみず
しいステージに盛んな拍手が送られた

 国際啄木学会会員ら約300人が参加した。幕開けで渋民小学校4年生が、啄木が作詞した校歌を披露。同会の池田功会長、盛岡大会実行委員長の小林芳弘盛岡支部長があいさつ、盛岡市の千葉仁一教育長が谷藤裕明市長の祝辞を代読した。

 学生短歌大会で最優秀賞を受賞した盛岡・永井小6年の向井柚稀(ゆずき)さんら入賞者に賞状が贈られ、選者を代表して今野寿美さんが講評を述べた。渋民中学校生徒による群読劇もあり、生き生きとした表現に会場から盛んな拍手が送られた。

 6日は午前9時15分から渋民公民館で2会場に分かれて8人が研究発表。同11時10分からは「私の啄木研究・翻訳」と題したミニ講演がある。午後は啄木ゆかりの地をバスで巡る。

(岩手日報 2016/11/06)





国際啄木学会、11月盛岡で
   生誕130年記念


    国際啄木学会(池田功会長)の盛岡大会は11月5、6の両日、盛岡市渋民の姫神ホールなどで開かれる。石川啄木の生誕130年を記念し、ふるさと渋民の地で「明日の考察~130年の時を超えて」をテーマに議論を交わす。

 5日の会場は姫神ホールで、午後1時から開会行事を行う。日本歌人クラブ会長、山梨県立文学館館長の三枝昻之(たかゆき)さんが「村岡花子と啄木」と題して講演する。

 続いて「明日の考察~130年の時を超えて」と題し、パネルディスカッションを開く。パネリストは盛岡大助教の塩谷昌弘さん、立命館大非常勤講師の深町博史さん、明治大大学院の劉怡臻(リュウイチェン)さん、コーディネーターは岩手大名誉教授の望月善次さん。

 6日午前9時15分からは渋民公民館で、2会場に分かれて計8人が研究発表を行う。同11時10分からは「私の啄木研究・翻訳」と題して台湾・景文科技大の高淑玲(コウシュクレイ)さん、インド・デリー大のウニタ・サチダナンドさんがミニ講演する。

(岩手日報 2016/10/25)







130年超えて明日の考察 5年ぶり盛岡大会
   国際啄木学会きょうまで


  2016年国際啄木学会盛岡大会(国際啄木学会・同学会盛岡支部主催)は5、6の両日、盛岡市渋民の姫神ホールなどで開かれている。5年ぶりの盛岡大会で、啄木生誕130年・盛岡市玉山村合併10周年を記念。「明日の考察~130年の時を超えて~」をテーマに開かれ、5日の開会行事には同学会員、地元の小中学生を含む一般市民約400人が参加。日本歌人クラブの三枝昻之会長の講演もあり、今を生きる人たちの心にも投じる啄木短歌の魅力を再認識した。

2016国際啄木学会盛岡大会開会行事で群読劇を
披露する渋民中生徒

 開会行事は姫神ホールで開かれ、渋民小児童による校歌で開幕。池田功同学会会長が「27年前の1989年に設立され、翌年に第1回大会が盛岡大学で開かれた。27年間続いた感謝とこれからますます発展させていかなければならないという気持ちだ」とあいさつ。続いて、盛岡大会実行委員長の小林芳弘同学会盛岡支部長があいさつした。

  同大会を記念して募集した学生短歌大会の表彰式も開かれ、最優秀賞の向井柚稀さん(盛岡市立永井小6年)ら入賞者が表彰を受けた。選者の今野寿美さん(選者代表)、三枝さん、文屋亮さん、望月善次さんが表彰した。

  渋民中の全校生徒157人が、啄木短歌などから題材を得た群読劇「風の吹くところ」を披露。啄木の時代と今をつなぐ、みずみずしい演技で来場者の心を捉えた。

  三枝日本歌人クラブ会長は「村岡花子と啄木」の演題で講演。翻訳家として活躍した花子の短歌の変化に啄木の影響を推測し、「花子の変化のプロセスをたどると、短歌がどのように暮らしに着地したのかを見るテキストになる。啄木が介在することでその変化が見えてくる」と語った。

  「明日の考察~130年の時を超えて~」をテーマにパネルディスカッションも開かれた。

  開会行事に参加した渋民中3年の多田福望(ふくみ)君は「啄木の群読劇に取り組み、身近な山、川を思う気持ちは130年前も今も変わらないと思った。啄木は身近な先人だが、全国でも人気が高いことを改めて感じ、啄木に関わってきて表現することができて良かった」と話していた。

  6日は午前9時15分から、渋民公民館大会議室で同学会員の研究発表、ミニ講演「私の啄木研究・翻訳」が行われる。

(盛岡タイムス 16/11/06)